第1章 食事編
私たちの身体は、毎日の食事から摂り入れるもので構成されています。
このところの「食育」への関心が高まっている背景には、食事に対する偏った情報が溢れて、本当に身体にとって何が大切なのかを忘れてしまっている方もいます。何より、食事の内容によって精神へも影響を及ぼすことは明白です。当然のことですが、長い間の偏った食事は、病気へのアプローチとなることにも…。
今回、体質改善を実践するあなたにとって、毎日の食事を根底から見直してみるということは、とても大切な作業です。
私たちは、つい≪感情≫や≪習慣≫で、食べ物を求める傾向があります。
過去の習慣に固執しているよりも、今これから健康に、そして幸せになれる食事の原則を、ケイシー療法の基本的な教えに従ってお伝えします。
ただ、最初から頑張ってパーフェクトに実行しよう!などと力むことなく、改善できるものから少しずつ実践し、あなたなりの結果を導き出していってください。
第2章 食事の原則
『食事』とは?
私たちの身体は、物質的には水、空気、食べ物から作られています。
よく肉体は、船に例えられます。心が肉体という船を支配し、人生という旅を航海しています。長い航海の間に船も古くなり、補修が必要になりますし、また、良い燃料がなければスピードも出ず、航海を続けることが難しくなります。
そうした肉体に必要なエネルギーは、植物や動物から摂取しています。
実際に口から取り入れられた食物は、消化→吸収→同化→排泄という流れで原子1個まで取り込まれます。
適切な食事を心掛けることは、健康な身体と心を維持するために、とても大切な要素なのです。
食事の心構え
その1「1日3回食べよう!」
朝飯は抜き、または起き抜けにコーヒー1杯飲んですぐに出勤する。という話を良く聞きます。
朝、食欲が無い方は、大抵遅い夕飯を摂ったり、夜食を食べたりしています。夜遅い食事ほど、消化器に負担(胃の活動性を低下)となり、朝の食欲不振を招く原因となります。
朝飯は、私たちが日中効率良く活動するための大切なエネルギー源です。まずは、悪習を断つために就寝3時間前には、食事を摂らないように心がけましょう。遅く帰宅した時は一度、夕飯を食べずに寝てみてください。朝になれば、自然とお腹が空いていますよ!
その2「ゆっくり食べよう!」
ご飯は時間が無いからと、あわてて食べたりしないこと。ゆっくりと時間をかけて「食事」を楽しみましょう。ですから「早飯は働き者」という考え方は間違いですよ。
食後は心身ともにゆったりと過ごすことで、身体がしっかりと消化しやすい環境を与えましょう。
簡単な方法としては、昼食後に100歩ほど歩いてから20分位休息を取ると(少し横になる)胃の蠕動運動が活発になり、休むことで消化液の分泌が促進されます。もちろん脳もリラックスできるので心身ともに有益ですね。午後の活力と体力が回復することが感じられます。
その3「食べてはいけない!」
疲労や感情の起伏が激しいときは、絶対に食べない!ようにしましょう。
怒っているときや疲れきっているときは、消化器もうまく働くことが出来ません。
無理に詰め込んでも、間違いなく消化不良を起こしてしまいます。このような時は、水だけを飲んで早めに寝てしまいましょう。
また、不満や不安を紛せるつもりのヤケ酒ヤケ喰いも、身体の抵抗力を失う原因となるだけです。身体にとっては有害な行為だと肝に命じておきましょう。
その4「身土不二を心掛けよう!」
出来るだけ自分の土地に育つ野菜や果物を食べましょう。私たちの身体がその土地に順応する手助けをしてくれます。
その5「旬のものを取り入れよう!」
その季節に出来るものを食べましょう。
夏の食べ物は、身体を冷やす作用があり、冬のものには温める作用があります。現在は、一年中季節を無視して野菜や果物が手に入りますが、出来るだけ季節(旬)のものを多く摂り入れて、身体を労わるように心がけましょう。
食事の法則
- 水を飲む
1日1~1.5リットル位飲みましょう。浄水器のお水か、ミネラルウォーターを飲用しましょう。冬は、冷たい水は避けて、常温か、もしくは白湯を飲むこと。(体温が下がることを防止します。)
- 揚げ物を食べない
酸化した油は、過酸化脂質を多く含み、細胞や血液を酸化させる原因になります。できるだけ摂取しないようにしましょう。
また、どうしても揚げる場合は、フライパンに最低限の新しい油を使います。(ゴマ油で揚げることを推薦します。ゴマ油を加熱すると抗酸化物質が作られます。)
- 豚肉を食べない
豚肉の脂肪は消化しにくく、アーマ(未消化物)を作るため、食べないようにしましょう。また、豚肉は人の血液を酸化させ凝固させる傾向があります。どうしても食べる場合は、脂を出来るだけ取り除きましょう。ベーコンは、カリカリになるまで焼くこと。
[その他の肉]
牛肉=週1回くらいOK ラム肉=週3回くらいOK 鳥肉=OK
魚貝類=OK(白身は、より良い) エビ、カニなどの甲殻類=あまり良くない
※ 皮膚病(アトピーなど)の方は、特に貝類(特に大きな貝)や甲殻類に反応を起こす場合が多いので避けましょう。
- 野菜について
野菜は、収穫後24時間以内に食べることが理想です。葉物と根物には、以下のような働きの違いがあります。
生野菜は、夏に多く食べましょう。気力を立ち上げる働きがあり、身体を冷やす傾向があります。温野菜は、冬に多く食べましょう。リラックスさせる働きがあり、身体を温めます。
そして、午前中は、地上に出ている野菜が 2 に対して、地中の野菜を 1 の割合が理想です。
夜は、地中にできる野菜を多く摂ることを勧めます。
また、野菜に含まれるビタミンは、ゼラチンと一緒に摂ると吸収率が上がりとても有効です。
- 酢を取らない
消化能力の弱い人は、酢を取らないこと。体をより酸性にしてしまう。
特に疲れている時や、胃のもたれを感じている時は、絶対に摂取しないこと。酸味をつける時はレモンにしましょう。
- 穀物を2種類以上一緒にとらない
消化酵素は、穀物1種類にしか対応出来ない。 例:ご飯+麺類
白米より玄米が良いです。(消化の弱い人は5分づき~7分突き)
パンは、全粒粉のものにしましょう。
- 柑橘類は排泄を促す
穀物と一緒に食べないこと(消化に負担がかかります)
消化には酸(胃酸や膵液、腸液など)が必要です。しかし、柑橘の酸が入ると、脳は酸が足りていると判断、そのため酸が不足すると、消化しきらないまま腸に送られるので、消化吸収不良を起こしてしまいます。
毎朝食時に柑橘をとっていると、消化力が弱まります。食べたり食べなかったりする方がよいです。
子供は、夜になったら柑橘類を食べさせないこと。
- ジャガイモについて
ジャガイモの中身を出来るだけ食べないこと。(体内に酸をつくるため。)
皮ごとか、皮だけ食べるのは良いです。(皮は、甲状腺に良く、髪にもいい影響があります。)
- コーヒー・紅茶について
ミルクを入れてはダメです。(胃壁を刺激します)
ブラックコーヒーなら良いですが、それでも、摂り過ぎは良くありません。
特に母乳をあげている方は、コーヒーを飲んではいけません。
- りんごについて
胃の内容物を食道に戻す働きがあり、消化を妨げてしまいます。ですから、食事と一緒に摂らずに、間食で食べるようにすると身体には良い摂り方になります。
- その他
人間の体は、弱アルカリでバランスを取っています
強アルカリは、弱酸性より危険です。
ケイシーのリーディングからの抜粋
以下は、ケイシーのリーディングからの抜粋です。
食事を改善するときの参考にして下さい。
- 心配ごとがあったり何であれ全体的な緊張や過労を覚えたりするとき負担をかけ過ぎずることは、体がさらによく機能していくうえで非常に有害である。
同様に、何かを食べたいという欲求なり必要なりを感じようが感じまいがそれと関係なしにものを食べることも体に有害である。277-P-1 - また、自分の身体に適さないことが自分で分かっているようなものも一切口してはならぬ。137-D-15
- その土地で育ち収穫されたものを食べることは、どこであろうと自分が住むことに定められた土地に身体を慣らす準備をさせる。3542-1
- 他の何よりも、速やかに特定の地域や気候風土に身体を順応させてくれる。その上これは、果物や野菜や…何かをどのように組み合わせたものよりも大切なことなのである。4047-1
ビタミン
• ビタミンB
ビタミンBは、乳糜に対し、脂肪の影響をコントロールする能力を与えるが、この能力は…関節の緊張を防ぐ、言い換えれば関節が委縮したり乾燥したりきしんだりしないようにする油性類の再生産を維持するために必要な能力なのである。2072-9
• ビタミンC
ビタミンCの機能の一つは、体内の至るところで起こるあらゆる性格の屈曲に必要な影響力を提供することにある。要するに筋肉性の屈曲であると問わず、あるいは心臓の反応であれ腎臓の収縮であれ、目のまばたきであれ顔面における筋肉的影響力や唾液の供給であれ、あらゆる屈曲が必要とする影響力を提供するのである。2072-9
• ビタミンCの欠乏
身体を構成する部分の一環を成すもろもろの影響力を駆逐してしまうことによって、心臓や肝臓や肺臓ばかりか、消化管の排泄機能までもが強調不全を起こし、それによって排泄がうまくいかなくなる。2072-9
ミネラル
• カルシウム
身体にカルシウムを供給してくれる食物をたくさん食べるがよい。
カルシウムが特に多いのは生のニンジン、火を通したカブとカブの若葉、あらゆるサラダ類、とりわけオランダガラシ、カラシナなどのサラダなどであるが、何はともあれ全て生で食べることだ。1968-6
• リン
リンができる食物は主としてニンジン、レタス(リーフレタスの方がヘッドレタスより催眠性の働きが大きく好ましい)、貝類や甲殻類、バラモンジン、じゃがいもの皮などである。柑橘類のジュースや、十分な量のヨーグルトはさらによい。560-2
• 鉄
鉄分を(薬の形で取る代わりに)もっと食物に含まれた成分として取るようにせよ。植物の影響力から取る方が同化しやすいからである。1187-9
鉄分に富む食べ者はホウレンソウ、ヒラマメ、紫キャベツ、イチゴなどのベリー類、
干しブドウ、レバー、ブドウ、西洋ナシ、タマネギ、アスパラガスである。
野菜
• 冷凍野菜について
食べ物の調理法次第では、ビタミン成分の大半が失われずに済んだり、逆に破壊されてしまったりする可能性がある。したがって冷凍野菜ではなく新鮮なまま食べるべきである。
• 圧力釜について
蒸気圧力で手早く調理する方法はビタミンを失わない。
野菜類は全てそれ自体から出た汁で調理しなければならず、野菜と一緒に汁も飲む必要がある。2529-1
• レタス ほとんどの人は、レタスを大量に食べるべきである。なぜならレタスはほかならぬ血流の中にある種の不快な悪臭を供給し、これが血流を犯すさまざまな影響の大部分に破壊的影響力を及ぼすからだ。要するにレタスは浄化者なのである。404-6
レタスはリンパ血液の液体部分を浄化するのに役立つ。ちなみにこの液体は、野菜が消化されるときに乳糜間から吸収されるのである。
• ニンジン ニンジンの葉に近い部分は、腎臓と目の間を結ぶ視覚系の反応を刺激する活力を含んでいる。
• ジャガイモ ジャガイモの皮、人体の各種の腺に影響を与える作用を持ち、体質を丈夫にする。820-2
• キクイモ インシュリン作用を伴い、それが腎臓を正常化するばかりか過剰な糖分を減少させる傾向を生じさせてくれるのだ。480-39
キクイモは腎臓と膀胱に関係した膵臓のさまざまな活動間の協調不能に向かう体質傾向を治すのに役立つであろう。1523-7
<食べ方>
1回に鶏卵大のもの1個。人によって、日に1回もしくは週に1、2回、生のものと火を通したものを交互に取るように勧めている。
果物
• 冷凍果物について
冷凍された果物は、野菜とは異なりほとんどビタミン成分を失わない。
• リンゴ
全ての人体組織をあらゆる有毒性の影響力から清める。
生のリンゴであるが、3日間それだけを食べ他の物は一切口にせず、その後はオリーブ油(半カップ)と一緒に食べること。
• 生のアーモンド
ケイシーは、毎日2~3粒の生アーモンドを食べているなら、ある種の癌や肌のシミを防ぐと述べました。
活性酸素を除去する「ビタミンE」の威力や「ミネラル」が豊富なので、新陳代謝を活発にします。また、コレステロールの低下や、高血圧症の改善にもなります。